商品無料仕入戦隊『電脳卸』




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 ビデオレンタル業界では昨今大きな変化があった。レンタル商品となる媒体の比率が、従来の「ビデオカセット」を「DVD」が上回っている。VHSとDVDの売上構成比で比較すると、2004年に30.2%だったのが2005年には56.2%2006年になると約80%にまで伸ばしている。最近の1年間で国内のDVDソフト市場は大きく拡大していることが確認できる。  
(社)日本映像ソフト協会調べ

ところがDVDソフト業界の内情は、市場が急拡大している割には大儲けできているわけではない。DVDメディアの台頭によってクオリティの高い映像コンテンツが求められるようになったことで、作品の制作費やライセンス料も高騰しているため、当れば大きく稼げるが、当らなければ大きく損をするというハイリスクハイリターンの色合いが濃くなりはじめているのだ。これは、かつてのテレビゲーム業界において、ゲーム機の性能が向上することと反比例するように、ゲーム制作会社の経営はひっ迫して淘汰されていった状況と似ている。
映像が高品質になったからといって、消費者は高い価格に納得してくれるわけではなく、消費者が求めやすい価格設定で勝負していかなくてはならない。そのため、大作映画のように“版権の仕入値”が高いコンテンツを扱うビジネスでは今後はさらに豊富な資金力と大きな販売力が必要になっていくことが予測できる。
一方、手堅く稼げているのがニッチな分野に的を絞ったDVDソフトメーカーである。どんな分野にもコアなファンというのは存在するものだが、そこを狙った映像コンテンツをDVD化して販売することが魅力的な収益を生み出す。コンテンツ販売の特性としておもしろいのは、提供する媒体の種類によって価格の相場観が安定していることで、携帯コンテンツとしての販売ならば月額 300円程度が相場、DVDメディアならば 3,000〜5,000円が適正な相場観として定着している点である。
例えば 100億円の製作費が投じられたハリウッド映画のDVDソフトが3千円であるのに対し、カルチャースクールの講師が自作自演で制作した教則DVDが5千円だとしても、その趣味に関心の高いユーザーならば価格設定に納得してくれる。もちろん映像の品質については映画作品に到底及ばなくても、映像として収録されている教則の内容が優れていれば“5千円の商品”として成立するのだ。これは特別な技術やノウハウ、指導力などの「知的財産」を持つ人にとっては大きな商機として注目しておくべきだろう。DVDソフトの新たな売れ筋ジャンルは意外なところに潜んでいる。

【新たな収益源として期待されるアーティストのDVD作品】
近頃では音楽アーティストのコンサート映像をDVDとして販売するケースが増えてきた。CDの売上が落ち込んでいる中でも、ライブDVDの売行きはすこぶる順調である。これまでアーティストがコンサートを開催する際には、観客のチケット代金を主な収益源としてきたが、ライブDVDとしても収益が見込めることはアーティストのライブ活動を活発にさせる。
映像制作会社でもライブビデオ撮影を新たな事業として盛り込みはじめていて、これまではプロの中でも有名アーティストのみしか実現できなかったDVDの制作がアマチュアバンドでも可能になっている。撮影料金は使用するカメラ等の機材によってもピンキリだが、撮影1時間あたり1万円程度から請けてくれる安価な業者もある。

ライブハウスやコンサートホールの中でも、稼働率を高めるためにライブ撮影用の固定カメラや移動カメラを設置する施設が増えつつある。映像の品質を厳しく問わなければ、ライブイベントを撮影、DVD化することは現在ではそれほど難しくないが、そのDVD作品が有料の商品として成立するか否かは、アーティストの実力に依存しているのは言うまでもない。

音楽以外のエンターテイメント分野でDVD化が進んでいるものとして、マジシャンの例がある。手品は日本でもこのところ人気が高まっているが、その映像コンテンツはまだ少ない。一方、米国のMeir Yedid Magic社は、オリジナルマジックを持ったマジシャンのパフォーマンスやハウツーを収録したDVDを制作販売していて、日本では見られないほどの充実ぶりだ。

同社では人気マジシャン毎にシリーズ化したDVDタイトルを多数リリースしているため、彼らが演じるマジックの技はほとんど収録されている。そのため一般の視聴者が見て楽しむ用途だけでなく、マジック業界にとって百科事典的な資料価値のあるコンテンツに仕上がっている。DVDの価格は19ドルから、有名マジシャンの技が網羅された全巻セット 450ドルの商品までバラエティに富んでいる。また、これらのDVDをWebサイト上で販売するための仕掛けとして、各タイトルそれぞれ5分程度のサンプル映像をストリーミング配信している点も巧みだ。

【発想次第で柔軟に開拓できるDVDビジネス】
映像をDVD化して販売するビジネスでは、映像の制作に多額のコストをかけなければ百本程度の販売実績でも採算ベースに乗せることが可能である。撮影技術よりも、どんなユーザー層に支持される作品を提供するかが最も重要なポイントだ。テレビ番組と同じテーマ、ジャンルを追いかけるのなら、それ以上の質で勝負するしかないが、テレビが扱えないニッチなテーマならばDVDメディアが優位な市場を築くことも夢ではない。

例えば、救急医療員だったR.J. Sorensen氏は不慮の事故で仕事から離れることになった後、自然と医療に関するビデオ撮影を始めた。その頃、飼い猫の行動を見ているうちに、猫向けの映像コンテンツを作成することを思いついた。人間にとっては何の意味を持たない映像だが、好奇心旺盛な子猫にとっては、その映像は十分な“娯楽”になっている様子。そして獣医大学から高い評価を得たことで「猫ビデオ」はビジネスとして成立していった。
■Kitty Show(Cat DVDs)
http://www.kittyshow.com/

またフラフープの世界チャンピオン夫婦がフラフープの教則ビデオを自作して販売したり、結婚コンサルタントが結婚についてのハウツービデオを、フォークリフト販売業者が製品の見込客を集める目的で「フォークリフトの賢い買い方」を解説したビデオを制作販売するなど、映像コンテンツをビジネスとして活用している手法は様々である。

DVDのハードウエア業界では次世代DVDの規格が具体化していて、現在では大容量のディスクも販売されているが、肝心の映像ソフトがその性能をフルに使いこなすには、現在よりも大幅な制作予算の引き上げをする必要がある。メジャーな映画作品などは、そこに照準を合わせたビジネスを展開し
てくるだろうが、消費者は必ずしも最先端の技術を駆使した作品ばかりを望んでいるわけではない。

多額の制作費がかけられていなくても、その映像の中に他では得られない情報や知識、ノウハウが紹介されていれば、その中身に対してハリウッド映画を観るのと同じか、それ以上の対価を支払うことを惜しまないはずである。DVD化する映像コンテンツの売れ筋テーマは身近なところにたくさん潜んでいることを意識しておくべきだろう。そこには無から有を生み出せる商機がある。




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